Cooker

History

世界初となるチタンクッカーの製造、その歴史はエバニューから始まりました。

ここでは関係者の談話をもとに、その歴史を紐解いてみましょう。

チタンクッカー誕生秘話 不可能を打破した職人魂

より軽く。そして、より強く。エバニューはこんな矛盾する命題に取り組んできました。

そのひとつが、世界で初めてとなるチタンクッカーの製造。今から20年前のできごとです。

「いろいろな素材を調べましたが、有害物質が出たり表面処理が難しかったり。そんななか行き着いたのがチタンでした」

商品部の椎名利夫はこう語ります。

チタンは当時、医療機器に使われ始めた頃でした。これこそが、新しいクッカーを生みだす素材になるかもしれない……。

クッカーは金属の薄板に特殊なプレス機で油圧をかけながら「絞る」ことでその形がつくられます。

椎名はさっそく製鉄所に問い合わせましたが、その答えは「チタンは伸びが少なくて絞ることはできない」というものでした。

そこで今度は、新潟は燕市のプレス工場に相談に出かけます。

当地は世界的な金属加工の町で、エバニューのクッカーもここでつくられています。

椎名は信頼する職人に頼みこんだのですが、やはり断られてしまいました。

「チタンの薄板は非常に高価で、失敗すれば多額の赤字が出てしまいます。商売にならない仕事は受けられない、そう言われました」

それでも椎名は挫けずに通い続けたところ、「それでは」と、試してみることに。

「やはり、うまくいきませんでした。チタンの薄板は想像以上に硬かったんです」

プレス職人は当時をこう振り返る。

「わたしらも職人だから、誰もやったことのないことには興味がある。成功すれば世界初ですから」

そうして何度も試すうちに、うまく絞れるものが出てきました。

とはいえ、成功率は高いとはいえません。社内でも議論になりました。

止めたほうがいいという声も多かったのですが、若い社員のなかにはチャレンジすることへの情熱があったんです。

「失敗したものはすべて買い取るので開発を進めてください」、とお願いしたんです。

この熱意が職人魂に火をつけることに。エバニュー社員と燕の職人がひとつになり、開発は進められていきます。

「チタンの板には縦横の目があって伸び方が違う。その伸びないほうに紙をあてて圧力を調節するんです。

紙一枚の差に匠の技があるんですね」

薄板を伸ばすプレス機には油が必要ですが、職人たちはここに着目。

さまざまな配合を重ね、秘伝の油をつくりあげることに成功しました。

こうして2年の試行錯誤を繰り返し、1995年、商品化に成功しました。

発売当時、割高だった値段も爆発的な認知とともにコストダウンすることができました。

2000年には厚さ0.3㎜板も絞ることに成功。これにより、さらに20%もの軽量化を果たしました。

さらにはチタンの表面にセラミック樹脂コートを施し、その弱点である焦げつきやすさを解消!

同商品は世界中で愛読される『BACKPACKER』誌において「エディターズチョイス」に輝きました。

こうして、チタンクッカーは国内だけでなく、世界へと羽ばたいたのです。

エバニューの挑戦は続いています。次はどんな商品が生まれるのか……ご期待ください!