(06/12/04 e-mail)

ネパールヒマラヤの登山から帰国しました。アルパインスタイルで標高差1000メートルのパリラプチャ北壁を目指しましたが残念ながら敗退です。3分の1も到達しなかったかもしれません。

下降路偵察や順応行動は予定どうりできましたが、実際に北壁に挑んでみると期待していた快適なアイスは現れず、不安定なふかふかの雪に悩まされ、それに加えてオーバーハングした岩壁が僕らをふさぎ、仕方なく断念する事にしました。昨年の中国のポタラ北壁は2年越しで成功させましたが、再びパリラプチャに挑むかはまだ決めていません

現在の身体はヒマラヤ帰りとは思えないぐらい衰えがなく(それだけぎりぎりまで登れなかった)山のコンディションが悪かったといえ、物悲しさがある帰国になってしまいました。

しばらくは国内で登ってみたいアルパイン、フリーのルートがあるのでそちらに集中するつもりですが、それにしても今後の大きな目標を見つけられていないのは少々問題です。

撮影 中川博之

(06/10/26 e-mail)

10月31日よりネパールヒマラヤに向け出発します。本格的なヒマラヤクライミングは、実にギャチュンカン峰北壁以来の4年ぶりになります。

今回の目標パリラプチャ(マチェルモ)の北壁は標高差1000メートルの氷と雪に覆われた傾斜の強い壁です。今までどうり軽い装備だけを担ぎ、アルパインスタイルで挑戦します。3日から4日で頂に到達できるのではと思っていますが、かなり厳しい登攀になると思います。しかし仮に成功すれば、理想的な美しいルートからの登頂になるでしょう。

この山については2年以上前から考えていましたが、やっと挑戦にこぎ着けた感じです。
去年のポタラ北壁以上にテクニック、スピード、薄い酸素、それに加えて凍傷などSに不安もありますが、今回は優秀なパートナーもいますし多分なんとか克服できると思います。
アタックは天候が安定し氷の発達が良くなる11月20日ごろ、帰国は12月上旬を考えています。

それでは。

(06/10/08 e-mail)

アメリカでのクライミングツアーを終え帰国しました。雪の影響などで少々計画を変更しましたが、ほぼ日本で予定していたルートに成功しました。

ソルトレイクシティーを出発点にレンタカーで3つの州を回り8本のルートを登ったのです。生活は25日間で行き帰りのモーテルの2泊を除いて全てキャンプで朝食はコンフレークとバナナ、夕食はインスタントラーメンかチリビーンばかり食べていました。

ワイオミングのウインドリバーでは森と池に囲まれた美しい景色のなか岩塔を登り、ユタでは赤い砂漠にやはり赤い色の柱のように立つ岩に登り、コロラドの大渓谷ブラックキャニオンでは600メートル以上切れ落ちた岩壁に成功したのです。
これらの土地はほとんど日本のクライマーは訪れませんが、3箇所とも特徴がある景色と岩質で僕にとっても思い出深い旅になりました。

今月下旬にはネパールに向い1000メートル級の北壁に挑戦予定ですが、その前にアメリカクライミングの写真でも発表出来ればと考えています。

ウインドリバーで

標高差400mのピンゴラピーク

ユタ州のキャッスルトンタワー

ユタ州の岩峰で

コロラド ブラックキャニオン 600mの岩壁

(06/08/22 e-mail)

お盆のころ行った北アルプスで嬉しい?体験をしました。僕と妻は錫杖岳の前衛壁に登りに行きました。最初に「注文の多い料理店」というルートへ。以前ソロで登ったときには目立っていた不必要なボルトやピトンが抜かれ、美しいルートに変貌していました(僕は日本のクライミングには貢献していないけど国内の岩場について深く考えている人達がいるのです)

次に向ったのが「じーやの大冒険」 5.10cというグレードが付けられている核心部でもある1ピッチ目は見た目よりも易しく(不動沢だったら5.9?)また硬い岩でした。ルート自体は3時間ほどで終了してしまいましたが上からは穂高岳などの眺めが最高でした。

と言う事で岩自体でも、それなりに楽しみましたが、それよりも下山で得がたい体験をしたのです。僕らはだらだらと歩いて降りていました。多分駐車場まで20分という所。

なんとなく下の方を見ると草むらに大小二つの黒い物体が。何かを一生懸命食べています。「やばい親子の熊だ」とわかったときにはすでに遅く、親熊が振り向き我々に猛烈な勢いで向ってきました。僕は妻に「走れー」と叫び、僕らはザックを担いだまま山道を登り返したのです。降り返るとまだ熊は走ってきます。10キロ以上の荷物を持っていたので息が切れました。どのくらい追いかけられたでしょう。熊はいなくなっていました。彼らが去った事が何故か寂しいような、もっと追いかけてもらいたかったような複雑な心境になりました。

と言うわけで夏の良い思い出になったのです。

みずがきのボルダーで

(06/08/03 e-mail)

来月はアメリカに登りに行きます。ワイオミング、ユタ、コロラドとレンタカーで周りロングルートを楽しむ予定です。映画等によく登場するユタ州の柱のように聳える赤い岩塔は以前から一度は訪れてみたいと思っていました。また伝説的なビックウォールクライマーのレイトンコアが多くのルートを開拓したグランドキャニオンよりも凄い景色といわれるコロラド州のブラックキャニオンにも行く予定です。

アメリカクライミングのトレーニングとしてでもありますが多くのクラックルートを登っています。その中で最近、1本の魅力的なルートに出会えました。現代のクライマーの好みではなさそうなうですが僕には大変やる気の湧くルートです。多分、想像力、テクニック、全身の筋力、全てを出し切らないと今の僕には登れないでしょう。暑さのため岩の状態はあまり良くはありませんが8月中に2、3日トライするつもりです。できればアメリカ出発前までに成功できれば良いのですが。



(06/07/09 e-mail)

いつも暇ですが、特に今週は暇だったのでよく遊びました。その間、庭に植わっているグミの枝を切ったり、梅の実を取ったりと過ごしました。

7月1日、梅沢で沢登り 奥多摩の昔から親しまれている初心者向きの沢です。しかしあまりにも遊歩道が近くを通りすぎています。
7月2日、甲府幕岩 美しいルート名スパイラルリーフ5.11bなど、数本のルートを登る。
7月3日 ミズガキの不動沢 古典的なワイドクラック陽炎ルートなどを登る。
手間取る事を予想していたが比較的楽に登れ嬉しい。
7月4日 奥多摩湖でボルダリング 自転車で周遊道を走っていると水位が下がった湖畔に大きな岩を発見。少し遊ぶ。多分もうすぐ水の中に沈んでしまうだろう。
7月5日 鷹巣谷 小さな滝がいくつかある。それにしても運動靴だとヌルゴケの上はよく滑る。感想、沢靴が欲しい。
7月7日 太刀岡山 蒸し暑い中、蚊に刺されながら、そして細かいホールドに苦労しながら登る。

と言うことで一般の山好きの会社員が聞いたら喜ぶような時間を過ごしました。
今後はもう少し難しい課題に時間をかけ(素晴らしいのを見つけました)挑戦したいと思っています




(06/06/19 e-mail)

テレビ「情熱大陸」は、良いもの、あるいは悪いもの?も含め友人からの反響は多かったです。映像には使われていませんが、クライミング初心者の撮影スタッフと一緒に「むかし道ボルダー」で遊んだことは今でも良い思い出です。映像に出ていた城が崎のスコーピオンは本当ならば軽く登り、その後もっと難しいルートに挑戦する予定でした。言い訳としては岩が濡れていて、そのうえ核心部はびしょびしょだったのです。秋にでも再挑戦するつもりです。

先日、久しぶりに苦手な岩場、甲府の幕岩に行きましたが、5.10もまともに登れませんでした。ショックは大きかったです。ここ2年で数本の5.12は成功しているので、もう少し上手く登れることを期待していました。しかし幕岩のように垂直で細かいホールドが続くルートは相変らずダメでかなり落ちこんでしまいました。

どのようなトレーニングをすれば指の力が付くのか、だれかに教えてもらいたいです。頻繁にフィンガーボードにぶる下がってはいますが・・・とりあえず劇的な変化は求められそうもないので地道に登るしかないような気がします。


(06/06/01 e-mail)

6月11日の夜11時の「情熱大陸」に4年ぶりに登場します。
昨年登ったポタラ北壁と、これからの目標のヒマラヤの映像も使われるかもしれません。


(06/05/13 e-mail)

5月上旬は西の方に登りに行きました。岐阜の美濃、滋賀の芹谷、長命寺などで遊びましたが、1ヶ月間のネパール登山で腕の筋肉が減ったため、まともに登れませんでした。毎回(15年以上)思うことですが高地に行き、なおかつ日本で困難なクライミングに挑戦することは、なかなか両立もできず難しいです。しかしどちらも好きなので仕方ありません。フリークライミングは1から出直しです

再び登れなくなった事よりも悲しいことがありました。飼っていたカメが死んでしまいました。たかがカメですが可愛がっていたためショックは大きかったです。その日、早々に埋めてやり石のうえに絵を書き墓を作ってやりました。長期間出かけることの多い我家では生き物は飼わないほうが賢明でしょう。

5月下旬は久しぶりに城ヶ崎海岸に向います。時期的には気温が高くなってきたので岩の状態は良くありませんが、少し挑戦してみたいルートがあります。多分可能性は10%も無いとは思いますが、下手なクライマーでも挑戦する権利はあるわけですから。とりあえず頑張ってみます。




(06/04/28 e-mail)

ネパールヒマラヤの旅から帰ってきました。新聞等で報道されているカトマンズの街の緊張感は我々外国人には、感じられませんでしたが、外出禁止令などが出るのでとても不便でした。しかしこのような状態がいつまで続くのか、とても心配です。

旅の前半は大人気のトレッキングピークのアイランドピークに美しい景色を見ながら登頂しました。
その後は次の目標と考えている山に偵察に行きました。
大雪のため山の全容は掴めませんでしたが美しい形をした、また難しそうな壁でもありました。6000メートル級の山なのであまりクライマーも見向きもしませんが、8000メートル峰に一般ルートから登るよりは僕には魅力的な挑戦に思えます。

しばらくは長旅で失った腕の筋肉を回復させ、国内でも登ってみたい場所もあるので、そこに集中したいと思っています。


(06/03/14 e-mail)

しばらくの間、ネパールに行って来ます。前半は少々仕事をしますが、後半は山を偵察する旅です。本当はこの春に、その気になる山を挑戦しようかと考えていましたが、コンディションを上げることが出来なかったので秋にでもと思っています。

ネパールの準備と言うのもありますが、久しぶりに富士山に行って来ました。強力の仕事をしていた頃に積雪期の富士山には200回以上登っているのでハイキングに行くような気分で向ったのです。しかし痛い目に遭いました。
その日は関東でも強い風が吹いていたそうですが、僕と妙子は4合目付近で何度も突風で吹き飛ばされそうになりました。多分風速は30メートル以上だったと思います。(強力時代に32キロの荷物を担いでいるのに飛ばされ空中を舞ったことがある)それ以上進めないので6合目でテントを張ろうとしたのです。それも1時間以上の悪戦苦闘でした。僕一人やっとの思いでテントに入りこんだのですが強風のためテントごと吹き飛ばされそうになりました。仕方なく諦め下山を開始。僕らは半分死にかけましたが無事に帰還?に成功したのです。今回は完全に山をなめていました。やはり自然は偉大でモチベーションと体力だけでは解決できないことをあらためて思い知らされました。

と言う事で今回の反省を踏まえてネパールヒマラヤを楽しんでくるつもりです。

妙子と、友人がくれた「ばんぺいゆ」

(06/02/24 e-mail)

スコットランドでのクライミングを楽しんできました。当初ニュージーランドでのクライミングを考えていましたが、パートナーである友人の休暇の関係もあり中止しました。次に考えたのが、コロラドなどでのスポーツミックスルートでした。しかし、これから自分が向上するために必要な経験をするのには、アルパインクライミングの本場であり伝統を重んじるスコットランドがトレーニングに最適に思えたのです。

2月6日 グラスゴー空港に予定より1時間以上遅れ到着。道に迷いながらレンタカーで北上するも睡魔に負けて車中で寝ました。
2月7日 BEINN DORAINと言う岩場を目指すが、激しい雨のため発見できず、初日は悲しい結果に終わる。夕方、フォートウイリアムの1泊12.5ポンドのホテルに入る(4年前も同じ宿でした)。ドーミトリーの部屋だが我々だけで独占です。また装備も乾かせ快適でした。
2月7日 最も有名なBEN NEVISへ。2時間の歩きで到着してみると異常に氷が発達していない。がっかりした我々だったが、それでも短いながら稜線に突き上げるミックスルートを登りきり視界の悪い頂上に到着したのです。
2月8日 地元のガイドの薦めからAONACH MORにむかう。有名なスキー場らしいが雪が少なくスキーヤーは少なく、その代わりにクライマーがかなり多い。日本の八ヶ岳のようなポピュラーな場所なのだろうか。ケーブルカーに乗り、その後1時間30分の歩きで岩場に。迫力には欠けるが楽しめるアルパインのゲレンデという感じであった。それでも素晴らしい事にピトンなどの残置物は全く無かった。日本の岩場もこうでありたいものです。
2月9日、最終日はGREAG MEAGAIDHへ。迷いながら駐車場に到着後、2時間の歩きで岩場に。多少氷が発達している標高差400メートルのルートに向う。今回のスコットランドでのクライミングでは最も楽しめたルートだった。特に雪煙を巻き上げる稜線へは、まさしく僕達がスコットランドに求めていた美しくも激しいクライミングでした。

今まで自炊でしたが、その晩は有名なフィシュ アンド チップをバーで食べました。しかし休日のためホテルはどこも満室だったので初日と同じように汗だらけの体のまま車中で寝るしかありませんでした。そして翌日汚い体のまま飛行機に乗り日本に帰りました。僕達は短い日数ながら、そこそこ楽しみました。
今思うのは来年も・・・と考えたりします。


(06/01/30 e-mail)

2月15日発売の「山と渓谷」で山野井泰史の特集(60ページ?)をするそうです。なぜ今なのと思ってしまいます。まるで亡くなった有名な登山家の遺稿集のようです。それでも僕も文書を書きましたし写真も何点も提供したので暇があったら立ち読みでも、又はお金に余裕があったならば購入してみてください。

とりあえず最近は僕を表舞台に引き出そうという人が多くて困ります。(山ケイは親しい編集者からの頼みなので良いですが・・・)
それらを断わることもエネルギーを使うのです。有名になったからといって登れるようになるわけでもありませんし。本来ならばその断わるエネルギーは全てクライミングのために取っておきたいぐらいです。

それでも最近のクライミングでは、そこそこの成果が出ています。近所の白妙では20回近くトライしていたボディーマシン5.12aを成功しました。石灰岩では初の5.12になります。山では憧れていた錫杖岳の1ルンゼを登りました。優秀なパートナーのおかげもありますが素晴らしいルートと出会え感激です。残念ながら翌日の2ルンゼダイレクトは時間切れで敗退しましたが、今シーズンにもう一度挑戦できたらと考えています。

2月はニュージーランドを止めイギリスはスコットランドに登りに行くことにしました。そこでミックスクライミングを楽しみたいと思っています。


(06/01/13 e-mail)

年末から年始にかけ、よく山に登っています。12月下旬は、今シーズン最初のアイスクライミングに甲斐駒ケ岳の戸台川周辺で登りました。相変らず下手でスピードがありませんでしたが、昨シーズンよりはマシのようです。

その後は、北アルプスの唐沢岳幕岩の畠山ルートを挑戦しました。しかしそこでは、少しだけ登りましたが、大雪に恐れをなして敗退です。

1月には低温が続いていたので、近所の奥多摩で誰も行くことのない沢に入り、未踏?のアイスルートに一人で登りました。とても易しくはありましたが、情報のない場所に一人で向うことは、気持の良い興奮がありました。

数日前には南アルプス荒川出合の2ルンゼに行きました。ここは林道手前に車止めのゲートがあるため本来は12キロも歩かなければならないのですが、僕と友人はマウンテンバイクで足に乳酸をためながら長いアプローチをこなしました。アイスクライミングも楽しくはありましたが、自転車での快適な下山は最高でした。

今後の予定は、もしかしたら2月上旬にニュージーランドのクライミングに行くかもしれません。色々な事情で止める事になるかもしれませんが、今のところ楽しみです。ニュージーランドつながりでは、ニュージーランドの山で撮影したNHKの連続ドラマ氷壁が今月14日から放送しています。僕も情報提供など協力はしていますが、ドラマの良し悪しは、解りません。しかし熱心で、その上登ることの好きなディレクターの事を思うと色々な人に見てもらえたら嬉しいと個人的には思います。