(09/12/07 e-mail)

4年前に5万円で買った車は長旅に耐えられるだろうか。
1日目 高速のパーキングで10時間も熟睡し、清々しい朝、友人と豊田の岩に向かった。
2日目春日井市 定光寺 小さな森にひっそりと岩があった。
3日目広島 三倉岳 何だろう、山の中を散歩していると甘い香りが。
4日目 三倉岳 天気予報は午後は雨。午前中が勝負と水晶クラックとモルモットクラックをオンサイト。いいねー。
5日目山口県は徳山の港、スティッククリップ用の棒を代用として港で釣り。大漁だったが、どれも5センチ未満でした。
6日目亀山の岩に。10メートルも満たない南峰シャンテ。どうやって登るんでしょう。グレードは5.10cですよ。
7日目三倉岳 モスクラックで心臓が破裂しそうになり、ヒップクラックで左身体の肉が持っていかれた。やっぱりワイドクラックは厳しいな。
8日目広島市内でスライド会。久しぶりなので1時間で痩せたような。
9日目最終日も三倉岳で登り、その後妻の実家の滋賀県を目指す。
10日目もち米、エビ芋などを手に入れ、車の雨漏りとエンジンオイルを点検し明日のドライブに備えた。


(09/11/16 e-mail)

ヒマラヤから帰り落ち込みはしないものの、しばらくは気の抜けた日々でした。
しかし過去を振りかえりはしても楽天家なのか、失敗もいつの日か良い思い出に変わるだろうと勝手に決めて、また登りを再開しました。
なにより無性に岩にしがみ付きたく、そして息を切らせて山を歩きたいと思うのです。こうなったら心臓と脳が停止するまで高みを目指すしかないでしょう。
また数日前、ある取材を受けるので丸山氏が書いた「ソロ」を初めて読み返しました。そこにはがむしゃらすぎる、若い頃の山野井泰史がいました。恥ずかしながらそのクライマーに少し影響を受けたのも事実です。
三ノ木戸でフリークライミング、柿とりと梅の枝切り、白髭でボルダリング(誤って川に落ちる)、自宅~倉戸山~六ツ石山(家の近くでカモシカ発見)
以上がここ数日の行動です


(09/10/16 e-mail)

ヒマラヤから1ヶ月半の旅を終え帰りました。結果は敗退です。
2年以上前から考えていたクーラカンリ北壁は雪崩の危険性が高いので、隣に鋭く聳えるカルジャン峰(7200m)に単独でアタックしましたが6300mを最高地点に下降してしまいました。
現在は奇妙な感覚です。今まで何度となく目標のヒマラヤの高峰に登れず悲しい思いをしてきたのに、今回は力を出し切ったわけでもないのに悔しさがほとんど無いのです。26歳からヒマラヤに通い、そして情熱を注ぎこんでいた思いがぷつりと切れてしまったのでしょうか。
山の状態も体調も悪かったので登れなかったのは仕方ないのですが、いつにもなく行動中に自分の能力に疑問を感じていました。また以前にも増して山で死ぬのが怖くて、無事に家に帰りたがっている自分は昔とは少し違っていました。ヒマラヤンクライマーとして終わってしまったのでしょうか。燃え尽きてしまったのでしょうか。確かに今でも登ってみたいフリールートやアフリカや南極の岩峰や山に興味がありますがヒマラヤはと言うと・・・
それでも荒々しい氷河、真っ青な空、巨大な山脈、それらから別れを告げることは出来るだろうか、はたして残りの人生をほとんどリスクを感じないクライミングだけで過ごせるだろうか、少し疑問が残ります。

(09/08/13 e-mail)

ヒマラヤへ向うので、薄い酸素に少しでも体を慣らすため富士山に4日間滞在しました。お鉢を散歩したり、時には少し走ってみたりと体の反応を確かめながら運動です。また登山者が少ない時間を狙って以前から気になっていた岩でボルダリングもしましたが流石に3700メートルに慣れていないせいもあり頭はくらくらでした。
さて予定は2ヶ月間。ネパールでトレッキングし5000メートル台の順応、その後陸路でチベットに入り、目標の7500メートルの山を単独で狙うつもりです。
時々部屋の中で一人これから向かう目標の山を想像しています。雪煙がたなびく稜線、怪しげなセラック、そして光り輝く氷壁を・・・
期待と恐怖に胸が締め付けられそうになりますが、いつもどおり冷静に山と身体のコンディションを見極め自分の能力を最大限に発揮し山を登ることを楽しもうと誓う自分がベースキャンプにいることも想像できています。
それにしても飽きることない登攀意欲に自分自身感心してしまいますが、登っていない限り生きてゆけないのは、ずいぶん昔から気がついているので諦めてもいます。
それでは・・・のんびり遊んできます。




(09/07/16 e-mail)

今シーズン初めての沢登りに奥多摩の大雲取谷に行った。涼しさを求めたのに沢の中も蒸し暑く快適な沢登りとは言えないものの、前日にはハセツネコースの3分の1の25キロを歩いていたので、適度な疲れを感じさせてくれた2日間だった。 
フリーでは以前から登ってみたいと思っていた太刀岡の下部岩壁にあるヘルタースケルター(5.12c)をレッドポイントできたのは、ちょっとした成果かもしれない。ハングしたスポーツルートではあるが要所要所ハンドジャムが決まるので僕でも登れたのだろう。何よりそのエリアは落葉が引き詰められた広く静かな場所なので奮闘的なクライミングの後、寝ころびながら休憩するのに最高だった。
さてこの秋、久しぶりにヒマラヤへソロで挑戦しようと考えている。その山は標高も高く狙っている北面も少々手ごわそうではあるが2年前から登りたいと思っていた。本当に自分にその山を挑戦する資格があるのか疑問が生じるときがあるが、あの北面を触ってみたいと思う。クマ事件等で計画は延期してきたが実行に移すのはタイミングとしては今のような気がする。現在少しづつ装備を揃え、食料について考え、身体の調子を整えている。



(09/06/15 e-mail)

鼻の治療を受けてから3週間以上になります。
鼻で呼吸が出来るというのは、とても幸せなことです。と言うことでランニングや自転車などの有酸素運動を最近は頻繁に行っています。好きなコースは自宅から東京都で最も標高が高いと言われている集落まで自転車で往復する事です。車はほとんど通らず安全ですし、荒い息で登っていっても人に見られ恥ずかしい思いをする心配もありません。一番高い地点に到着し道の上で寝ころびながらボーとする時間は最高です。 
この2日間は新潟県の山の関係者に招待され、スライドなどを見てもらいながら話をしました。最近の運動の疲れもたまっていたので気分を変える意味でも良い時間になりました。新潟の新発田市に到着した夜は素晴らしいの一言でした。ワラビ、ゼンマイ、フキ、竹の子などの山菜、釣ってきたばかりの魚、手作りの笹寿司などと豪華な料理をたくさんいただきました。翌日は内ノ倉という岩に登りに行きました。傾斜は強くないものの気持ち良い花崗岩でした。多分こういう機会でもなければ内ノ倉で登ることもなかったのでしょう。いつか全国の岩場を巡りながらゆっくり旅をしたいと感じさせてくれる岩でした。


(09/05/19 e-mail)

熊に噛みつかれた顔の傷は外見上は良くなってきたが、鼻での呼吸が出来なくなってしまったので、鼻の穴を通す手術を受けるため病院に10日間入院した。
普段の生活においても鼻呼吸が出来ないと頭はスッキリとせず不快で食事も美味しく感じられない。そして登山になると鼻呼吸はますます大切になるので痛い思いをして手術を受けた。
登山では冷たく乾燥した空気を口から直接入れるのではなく鼻を経由することにより肺への負担を減らす。
さらにヒマラヤなどの高所登山になると深く規則正しい呼吸法が安全かつ成功への重要なカギとなる。ヨガのように鼻から吸い込み腹式呼吸を繰り返しながらゆっくり前進することは精神的にも楽になるうえ高山病対策にも肺のためにも良いと昔から言われている。
さて昨日退院したが、まだ鼻に詰め物があるので快適ではないが来月からは清々しい気分で登れるようになるのではと期待している。早く山々で美しい空気をたくさん鼻から吸い込みたいものだ

「病室に毎日飛んできていた片足の鳥」

(09/04/14 e-mail)

積雪期シーズンも残り少ない。せめてゴールデンウィークで多くの登山者が入山しステップが山に刻まれる前にと頻繁に出かけている。
八ヶ岳 阿弥陀岳南稜~赤岳南峰リッジ(単独) 北アルプスでは明星南西尾根~主稜(単独) 明神東稜~主稜下降など。易しいクラシックなルートばかりではあるが一生懸命歩いている。
帰宅後の洗濯や乾かしも大変だ。特に最近は少し緊張しながら登山用具を並べている。庭先で物を乾かすのだが梅の木に掛けてある巣箱に雀が出入りしはじめているからだ。ビックリさせないように静かに慎重に行動しなければならない。何だ雀かと思われるかもしれないが、二羽で懸命にワラなどを運び入れている姿は可愛らしい。まもなく卵を産み雛が生まれるだろう。多分その頃になると巣箱の周りは一層騒がしくなるはずだ。


(09/03/15 e-mail)

顔の治療中なので寒い雪山は避けた方が良いのですが、我慢の限界で北アルプスに遊び行ってしまいました。
いつもの年よりは少なく感じますが2000mを越えると、まだまだ雪はたっぷりとありました。
今シーズン初めてのアイゼンにピッケルでのクライミング。やはり気持ち良かったです。重いザックに息を切らせ、顔には雪が叩きつけ、細い雪稜を慎重に進み、ちょっと雪崩そうな斜面ビクビしながら横切り、上へ上へと登るのは最高です。
やはり登山に肉体的な厳しさと下界から遠ざかった孤立感があると思い出深いものになります。そして危険を回避しようとする本能と技術が発揮されると本来の自分を確認できるような気がします。後1ヶ月半ほどしか雪山は楽しめないでしょう。(5月中旬には顔の再手術かな?) 
それまで雪の多そうな北アルプスに何回かは登ろうと思っています。


(09/02/15 e-mail)

クマ事件以来、安全な車道でジョギングしていましたが、先週、初めて襲われた山道を一人で走りに行きました。
知人は冬眠中なので絶対に大丈夫だと言いますが最近は1年中活動している熊もいるとも聞いています。妻には1時間経って帰ってこなかったら迎えに来てくれと、まるでソロで山に向かうような心境で出発しました。噛まれたために上手く鼻で呼吸できないうえ、藪に囲まれた個所やカーブで前方が見えない道では緊張のため異常に心拍数が上がってしまいました。それでも45分後、走り終えたときにはトラウマから少し脱出できたようで清々しい気分になれたのです。やはり車道より山道が気持ち良いです。
クライミングのほうは伊豆の城ヶ崎で登れそうで登れないルートがあるので、それから頭が離れられません。右腕での引きつけが重要なのですが、やはり噛まれて筋肉が損傷した影響で以前より力が入らないようです。暖かくなり湿度が増す前にもう数日挑戦する予定ですがどうなることやら。
さて伊豆にまで行って何も収穫が得られず帰ってくるのは悔しいので落ちている夏ミカンなどを拾い、港で小物のメジナをやはり大量に釣り上げ持ち帰って食べている。


(09/01/06 e-mail)

傷ついた顔や腕の治療、回復のためにも雪山などの寒いところには行かないことと医者に言われているので年末年始は、暖かな伊豆の城ヶ崎でのんびり過ごしました。
なみだちエリアや赤沢港エリアなどクライマーが行きそうもない場所を選んでは5.10cから5.12bまでのクラックをこそこそと登りました。
先日、ある人に新年の抱負は?と尋ねられました。しかし考えても特別なものは浮かびませんでした。ただ「魅力的で可能性のあるぎりぎりの山や岩に能力を高め挑戦し続ける」これだけは25年以上全く変わらず思い続けているようです。唯一違うのは、春までに以前の顔に近づけるように治していきたいとは思っていることです。特に機能面は完全に回復させたい。しかしこの事件も数年過ぎれば良い思い出になっているのでしょう。
それにしても年賀状がたくさん来てしまったのに、こちらからは一枚も送っていない。困った。もしもこれを読んでいる知人がいたら・・・許してくれ。