ネパールヒマラヤ マナスル主峰(8,156m)北西稜登攀記(1971年)

West-Wall of Manasul

Manasul(8,156m)はNepal Himalayanの中央部に位置する世界第8の高峰であり
1956年、槙有恒隊長の日本登山隊により、東面から初登頂が行われた。
又、マナスル3山と呼ばれるマナスル、P-29(7,835m)、ヒマルチュリ(7,884m)は何れも日本が初登頂した山であり
我々、日本人には馴染みの深い山である。
初登頂から25年後、1971年に私達は、マナスルの西面からの登攀を行った。
私にしても、初めてのHimalayan遠征、ヨーロッパアルプス、モンブラン(4,807m)以上の山は、初めての体験でした。

登攀は4日行動1日休みのローティションで行なわれたが、Camp4設営(7,100m)以上は行動できる隊員も4人のみとなり、10日以上の行動の疲れと、高度障害もあり体力の全てを使い果たした感じで
最後の下山は、足に紐を付けて、手で持ち上げながらの歩行で、Base campに付いた時は、よれよれで、その後3日間は寝たきりで動く気にもならなかった。
体重も10Kg以上減少、回復するのに半年掛かった。
もじ通り、自分の体を食っての登攀だった。
登攀ルートに付いては、登山隊名が「マナスル西壁登山隊」となっていたので、そのまま使用いたしましたが、実際に登ってみて、西壁と言うより西稜と言う方がふさわしいと感じた。
(キャラバン、登攀のルート図は高橋善数氏より、頂上付近の写真は同じ隊員の小原和晴氏、田中基善氏のご協力をいただき、英文レポートは登山隊の報告書より抜粋して転載させていただきました。)