思えばちょうど1年

2003年10月17日 手紙

思えばギャチュンカンでの過酷な登攀から生還し、そして日本に帰国してからちょうど1年になります。その間、4ヶ月の入院生活は自分の指を10本失うという厳しい現実もありましたが、けっこう毎日を楽しみました。その後の伊豆での2ヶ月は思う様にリハビリは進みませんでしたが10分ほどの散歩は欠かさず行い脚力の向上に努めました。5月に入り暖かくなるころ奥多摩の我家に戻りました。最初は3時間ぐらいのハイキングを何度か行い次には7月に1泊2日のテント山行に成功したのです。9月上旬には2泊3日で念願だった飯豊山脈も歩き通したのです。そして最近では富士山の5合目から頂上までを2時間30分で登りました。

クライミングのほうは8月下旬から再開し2ヶ月がたちました。今でも思う様に手には力が入りませんが足の方は少しずつですが慣れて来ました。今までに登ったのはトップロープですが5.10aを10本、5.10cを2本、そして5.11aを1本に5.11bを1本という成果を上げました。

こんな風に書くとかなり復活した様に思えるでしょうが山歩きは相変わらず下りではコースタイムよりも遅く足は痛みますしクライミングのほうも5.10aでも登れないルートがたくさんあるのです。今の目標は少しでもフリークライミングのグレードを上げる(来年には5.12を1本ぐらい登れないかなー)ことと冬になったらば易しいアイスクライミング(これはかなり辛い)に挑戦することです。とりあえず焦らずに少しずつ回復する自分を感じながら過ごそうと思っております。具体的な計画としては10月下旬から2週間で中国の四川省にトレッキングに行くつもりです。わたしと妙子そして友人の女性の3人で4000メートルぐらいの所を歩きながら6000メートルの未踏峰をたくさん見てくる予定です。多分、美しい景色が私達を待っている事でしょう。その報告は次の機会に…。

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