友人が病気で亡くなってしまいました

2011年9月20日

友人が病気で亡くなってしまいました。

その人とは25年前にはシャモニーやヨセミテで、もちろん日本でも一緒に登っていたクライミング仲間です。けして諦めずに少しでも上へと登ろうとする姿を僕らにいつも見せてくれました。
この夏のパキスタン登山の際、その人は貴重なクライミングギアを貸してくれました。そのギアも返すこともなく現在も僕の部屋の片隅に置いてあります。ここでパキスタンへの出発前に送ってくれた、大切に保存してあるメールの一部を紹介します。

「私はすべて、初めての経験ばかりで戸惑いの連続です。ただし、この未知の局面でどう対応するか、楽しんでいる部分もあります。まさに人生をかけた真剣勝負です。これは、ギリギリで踏ん張るクライミングのおもしろさに、通じるところもあると思います。タルタラム北西稜楽しんできてください。そして岩場で再会しましょう・・・・
追伸 今日自宅のボードをやりました。意外にできたのでびっくりしました。」

勝手に不特定多数の人に公開してしまって彼に怒られるかもしれませんが、いつの日か謝れば良いでしょう。僕はこのメールを読み返すたびに体の奥底にある微かに燃える炎に新たな燃料が加えられるような気持になるのです。悔いの残らないように登って、そして精一杯生きなければと思うのです。

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