アメリカクライミング最終日の日記です

2013年5月1日

「2日間の休養で筋肉は解れたように感じたが、実際は3週間にもなるキャンプ生活の疲れが溜まっていたのかもしれない。朝食のシリアルはすでに無く、代わりにレタスとチーズを挟んだサンドイッチを食べ、手に汗をかくといけないので、今朝はコーヒーを飲まず、早々に車に乗り込み何時もの駐車場に向かった。砂埃で汚れる前に車内で手の甲に丁寧にテーピング。見上げるルートは何度もトライしているが特別威圧感が増すことはなかった、何故か登れるように思えてしまう。このルートを登るためにトレーニングしアメリカまでやって来ていたのに。他のルートでは成果を収めているものの、これを登らなければこのツアーの意味が無かった。

最初の15mの5.12のフィンガークラックは余裕を持って抜けた。悪い体勢のまま15秒ほど休んだ後、核心部のハングに挑んだ。クラックに手をねじ込んでいく、呼吸ができないほど厳しい動きが連続する。そしていつものところで力尽き落ちた。何度トライしてもいつもの箇所で落ちてしまう。僕にはこのルートを登る能力があるように思えるのだが何かが足りなかった。今日まで10回以上全力でトライしたのに。今まで面倒なアプローチに付き合ってくれた2人に感謝しつつ下りることにした。」

これはアメリカクライミング最終日の日記です。悔しさが残る旅でした。今も時々登れなったルートのことが頭に浮かびます。

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