ネパールに行っていました

2016年11月16日

ネパールのアビ(6089m)を見たのは今から8年前だろうか。妻とモンスーン中にゴーキョの奥にトレッキングに行った際、雲の隙間から僅かに顔を出した鋭く尖ったピラミッドのようなアビ、その山の光景は何時も頭の片隅に残っていた。

今回一緒に行ったのは、海外登山が初めての二人、だからと言って簡単に登れる山は選びたくなかった。しかし二人には未踏のアビ北壁をアルパインスタイルで挑むことは、相当の重圧だったかもしれない。
10月31日の夕方、 5650mからの撤退の判断は正しかったのだろうか。余裕を持って手前でビバークしていたら・・・暗くなっても登り続ければ予定の5800mまで到達していたのでは・・・あれ以上登ってはたして無事に下山できただろうか・・・思考は今でもぐるぐる回る。
どちらにせよ頂に到達していないのだから、全力を出したとは言え、満足は得られない、それは彼ら二人も同様だろう。今回の登山で僕は何を得られたのか解らない。ただ下山する前に見上げたオレンジ色に輝く稜線だけを鮮明に記憶している。

今は無気力で、空っぽで、体調も悪く、次は全く見えてこない。
はたしてこの空っぽの胸にエネルギーが注入される日が来るのだろうか。1ヶ月後?1年後?エネルギーが満たされるまでゆっくり待ちたいと思う。

記事一覧へもどる