世界一周報告

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定期報告3月 ボリビア、ポトシ銀山ツアー―ダイナマイトがオレを呼んでいる―

文責:有村拓朗
ボリビアにはウユニ塩湖が恐らく一番有名な観光名所だと思いますが、人が住む都市としては世界で一番高い都市、標高が4000mのポトシもまた、ある意味で有名な観光名所ではないでしょうか。その「あること」とは、ずばり「銀山でダイナマイトがぶっ放せる!」というものです。イメージとしては、ダイナマイトの導火線に火をつけ、山から投げまくって、ドカン!ドカン!!というような体験ができると想像をしていました。とにかく日本では絶対にできない体験であり「ダイナマイトが俺を呼んでいる」などと勝手に決め付けた私は、思い立ったが吉日、早速一路ポトシへ。富士山よりも高い位置にある都市では、さすがに高山病と闘うことになりましたが、現地の人に頂いたコカ茶を大量に飲み、ポトシ到着翌日にはダイナマイト投げたさに行ってきました。ツアーは作業員と同じ格好をして必要なものを入れるバッグ、ヘルメットと照明灯、そして長い銀山の中で明かりを確保してくれる大容量のバッテリーを腰から下げいざ銀山へ。人が屈んでやっと通れる道をぐんぐん進み、各所の説明をしてもらいました。

ツアーの終盤には、お待ちかねのダイナマイト!外に出て山に向かって投げる気満々でおりましたが、実際はそうではなくなんと銀山の中で爆発させました。大丈夫かと思うほど粗雑に見える導火線をニトログリセリンの塊の中にグリグリとねじ込み、火をつけた後「そんなすぐに爆発しねーから口にくわえてみな」と元銀山採掘員であり、今はガイドになっている彼に強烈に勧められ、導火線に火がついたまんま、恐る恐る口に運びました。「シュー!」という導火線がどんどん短くなっていき、今まで嗅いだことのない匂いにむせそうになりながら写真をパチリ。口にくわえる観光的儀式を終えるとすぐにダイナマイトを壁に押し込み 100m ほどさらに出口に近づき待ちました。「もうすぐだな」とガイドが発してすぐに、「ドン!!」という音と共に衝撃が狭い通路全体に伝わり、衝撃でできた風が僕らを襲いました。一瞬ではありましたが、さっきまで口にくわえていたダイナマイトの物凄い威力を全身で感じ、「堪能した」という感情よりも「もう二度とあんな馬鹿な真似はしない」と心に誓った体験でした。

ダイナマイト投げたさに必死に高山病と闘いながら向かった地ではありますが、ガイドからこの銀山の由来や、不十分な設備によって犠牲になった人達、コカの葉で空腹を紛らわせながら日々働いていること、細かい塵や埃を長期間に渡って吸い続けることが原因によって、非常に採掘員は短命であることなどを聞き、厳しい環境の中で生きている彼らの現実も同時に知ることができました。ツアーに行く前には採掘員にお土産を買ってから行くのが慣習となっているのですが、是非ケチらずにお菓子やジュースを買って持っていってあげて下さい。